『森から世界を変える
ソーシャルビジネスアワード』
ビジネスアイデア紹介

バナナペーパーによる森林保全と
地域開発の両立
~インドネシアサロンゲ村を事例に~

...

【提案者】
江田 星來さん

事務局からの注釈:高校3年生の江田さんは、すでに学校でのプログラムの一貫としてこのアイデアを携えて国際フィールドワークに参加。インドネシアの現地婦人会などとの交流を始めています。プレゼンテーション当日はすでにインドネシアへ旅立っており、前もって現地で撮影して送ってくれた動画でのプレゼンテーションと、国際電話による質疑応答となりました。


【想定した対象地域】
インドネシア・サロンゲ村

【解決を目指す課題と目標】
貧困問題を解消して森林保全を実現する。


【プレゼンテーションの概要】

世界では、南米、アフリカ、東南アジアなど、おもに熱帯地域を中心に深刻な森林減少が続いています。森林減少にはさまざまな原因がありますが、なかなか安定した収入が得られないため、過剰な森林伐採を行わざるを得ないという問題が根底にあります。

その解決法として考えたのが、「バナナペーパー」を活用した製品を先進国に販売し、現地住民の方々の収入アップを目指すことです。バナナは生育期間が短く、バナナ栽培で出る廃棄物をバナナペーパーに活用できるなど、さまざまなメリットがあります。

バナナペーパーの利点

  • 森林保全に繋がる
  • 生物多様性の保全
  • 廃棄物の活用
  • ごみを排出しない
  • 新たな職場の提供
  • 世界各地で生産可能
  • 資本金が少なくても可能
  • 材料費がかからない
  • 市場規模が大きい

草木染めなどの現地の伝統的な技術を活用した魅力的なバナナペーパー製品を先進国で販売することを目指して、今回の国際フィールドワークで現地の人たちとバナナペーパーを作り、文化祭などでの販売を実践します。


講評

8/5プレゼンテーション時:審査員講評

森田隆博氏
(JICA 地球環境部)

国際フィールドワークを通じて、すでに現地の方々と交流し、試作品までできあがっているのが素晴らしいですね。現地のみなさんにも協力してもらったプレゼンテーション動画で、楽しくコミュニケーションできている様子も伝わってきました。バナナペーパーを使ってどんなプロダクトを生み出すか、さらにアイデアを重ねていくことは大切ですが、大きな可能性を感じました。がんばってください!

総監修:谷中修吾氏 講評

谷中修吾さん

プレゼンテーションでは、パッションと行動力が十二分に伝わってきたインパクトが非常に印象的です。

ビジネスアイデアという域にとどまらず、現場で実践しながら検証しているというリーン・スタートアップ方式が素晴らしいと思います。一方、今回のミッションにおけるビジネスアイデアという視点で考えますと、確かに森林保全を実現するという切り口でのバナナペーパーということに変わりはないのですが、ミッションに対する解決策としてのロジックとしての妥当性をもう少し解説していただきたいとも感じました。

ざっくり整理すると、バナナペーパー事業が活性化することによって、製紙のための森林伐採が減少するとともに地域住民の経済力を高めるということかと思いますが(そのように理解しました)、それが実現されるためには「バナナペーパーの生産&販売がどのくらい必要なのか?」「既存の紙を代替する力を持つのか?」「実現にはどのくらいの期間が必要なのか?」といった具体的な検討が見えると実践的だと思います。とは言え、自ら考えて行動している点は何よりも素晴らしく、ますますの実践的研究を心より応援いたします。

特別審査員:パックンマックン 講評

パックン

突然ですが、ここでクイズ!

個人的に、こんな始まり方のプレゼンが好き。そこで年間13万haもの森林が伐採されている、という恐ろしい現状を紹介し、見る人の興味を引きつける演出は素晴らしいです。パワーポイントにもさまざまな工夫がされ、とても見やすいものになっています。バナナペーパーに注目したのも面白いです。13万haの森を取り戻すほどの経済効果は見込められなさそうですし、むしろ儲かるならばバナナの木を植えるために自然林を伐採する人が増える危険性もあるかもしれませんが、それでも研究を進めるべきアイディアだと評価します。


マックン

このバナナペーパーの企画を見て、数年前に取材させて頂いた、たまごの加工メーカーの事を思い出しました。卵殻(卵の殻)はそれまで使い道がなく産業廃棄物としてお金を払って処理していたので、年間数億円の費用が掛かっていたのですが、卵殻と卵殻膜の成分を調べ、化粧品、食品、環境に優しいチョークなどの製品化に成功して、数年後には数十億円の利益が出るようになったと聞きました。バナナの葉も、使わなければタダのゴミになってしまうけれど、加工すれば立派な製品になります。また、製品の幅を広げて行けばビジネスチャンスもありそうですね。

PS.筑波大付属坂戸高等学校のSGHフィールドワークのホームページも拝見させていただきました。現地で体験したこと、学んだことがこの企画に反映されていると思います。



森から世界を変えるソーシャルビジネスアワード