『森から世界を変える
ソーシャルビジネスアワード』
ビジネスアイデア紹介

ソーシャルビジネス@Malaysia
来たれ、バックパッカーよ!

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【提案者】
中田渉さん、 岡本直之さん、 高尾彩衣さん、 古林安希子さん(プレゼンテーションには不参加)


【想定した対象地域】
マレーシア(カリマンタン島)

【解決を目指す課題と目標】
バックパッカーを対象としたソーシャルビジネスで森林保全。


【プレゼンテーションの概要】

マレーシアのカリマンタン島(ボルネオ島)は、豊かな森林をはじめ、旅先としての魅力を秘めています。この島でも森林減少の抑制は大きな課題となっており、このプロジェクトでは大学生のバックパッカーを対象とした観光ビジネスを創出して、第一次産業が中心の現地に第三次産業を広げて生計向上を実現し、森林保全に貢献します。

ビジネスアイデアを考えるに当たり、実際に日本の大学生へのアンケートを実施しました。「マレーシアの現地の文化、自然(動物)、グルメを体験できるツアーがあれば行きたいか?」という質問に対して、行きたいという回答が大半を占めたものの、航空料金が高くて行けないという意見が多くありました。

一方で、航空業界にとってはCO2削減が急務となっています。そこで、このプロジェクトではカーボンクレジットをインセンティブとして、航空会社から空席チケットを提供してもらい、現地での民泊、アクティビティなどをマッチングさせた安価なツアーとして組み立てます。学生が安価に旅行できるだけでなく、マレーシアの現地には観光業を創出し、航空会社は森林保全に貢献しながらカーボンクレジットを入手でき、それぞれにとってメリットがあるスキームとなります。

現地の生計向上を実現し、観光資源として森林に価値が生まれることで、森林減少を抑制することを目標としています。


講評

8/5プレゼンテーション時:審査員講評

浦口あや氏
(CIジャパン)

カーボンオフセットに取り組んだ唯一のアイデアでした。森林を保全することによって創出されるクレジット(=REDDクレジット)につなげるという提案ではなかったですが、このビジネスアイデアを通じて森林減少が止められたら、その排出削減量をクレジットにして活用することも、アイデアとしては可能です。たぶん、REDDクレジットに気付かずにここにたどり着いたのだと思いますが、航空業界の最新動向をはじめ、カーボンオフセットについて大変よく調べられていました。エコツーリズム自体はよく思いつくことですが、現役学生ならではの視点が取り入れられたアイデアはとても面白かったです。REDDのメカニズムを活用して地元に産業を作るというのは、私を含めてREDDに関わっている人たちが目指しているところであり、興奮するようなアイデアでした。

総監修:谷中修吾氏 講評

谷中修吾さん

航空会社と若手観光旅行者をつなぎながら森林観光を促進するというモデルにおいて、自社が航空券とカーボンオフセットのクレジット認可に関する仲介を担うという事業アイデアは、柔軟な発想でミッションに取り組まれた成果だと思います。

提案の中にあるように「森林保護に対して金銭的支援を行うのではなく、産業構造の変化に貢献することで持続的な森林保護が可能となる」という明快なスタンスがユニークである一方、「日本の若者に熱帯雨林の中での現地住民との交流や現地体験をしてもらうことにより森林保護の必要性を訴える」という部分の効果がどこまで引き出せるかがポイントだと思います。

さらに思考を深める上では、この仕組みを活用して現地の森林を訪ねた若手日本人の旅行者が、どういう体験を通じてどのように変容するのかについてのカスタマージャーニーを考える必要があると思います。

全体的な仕組みとしてのフレームワークはしっかり検討されているため、本質的な森林保全を実現する要とも言うべき「意識の変容」というソフト面のロジックができると、一気にイノベーティブな提案へと進化する可能性があると感じます。

特別審査員:パックンマックン 講評

パックン

第一次産業から一気に第三次のサービス産業へワープする。そんな画期的な進展がシンプルなアイディアから生まれるかもしれない。体験型旅行がしたい先進国の若者と、無秩序な焼き畑農業や過剰な森林伐採以外の維持可能な収入源を求めている現地の人々をマッチングする斡旋業者を作るだけの案だが、SNSの利用や航空会社のカーボン・クレジット活用なども含む、よく練った案でもある。もちろん、経済発展の切り札になりうる地元の皆さんにとってはうれしい事業だが、環境保全もお手頃な体験型旅行も大好きな僕にとってもありがたく感じる。若者が対象になっているが、おっさん枠も作ってほしい!


マックン

企画内容を把握すると、この「Airplane B n B」というタイトルのネーミングセンスの良さを感じます。すみません偉そうなこと言って・・・この企画が実現すれば現地の住民、バックパッカー、携わる企業など全てがWin - Winの関係を築ける可能性を感じました。そして、旅行者を絶やさないためのSNSの活用法や、観光客が増えすぎた場合の対処法など、問題が起きた時の解決策まで企画に盛り込まれていますね。

 

僕も「バックパッカー」になって現地を訪れ、一人でも多くの人に自然保護の大切さ、異国文化のすばらしさを伝えたいと思いました・・・若者ではないですが



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